北朝鮮が水爆実験を行う意図とは?

北朝鮮国旗

北朝鮮の核実験は「明白な決議違反」、国連安保理が追加措置に着手

 北朝鮮が4度目となる核実験に踏み切ったことを受け、国連安全保障理事会は6日、緊急会合を開き、直ちに追加措置に向けた作業に着手する方針を表明した。国連の制裁強化につながる可能性がある。

Reuters
*今までと全く性格の異なる水爆実験

 北朝鮮が突如として、水爆実験を強行した。
 今回の実験は、今までの核実験とは明らかに性格が違う。

 ここら辺↓が今までと違う。
 ・原爆ではなく、水爆と公表したこと。
 ・中国、ロシアなど周辺国に一切の通告をしていないこと。
 ・国連の制裁決議に対する対抗措置としてではなく、突然実施したこと。

 この水爆実験は、今までの北朝鮮の核戦略からは大きく外れてる。

 過去3回の核実験では、一応中国には事前に連絡をしていた。今回の水爆実験で、中国の面子は、丸潰れになっている。ほんとに世界中を敵に回しているような状態だ。

*瀬戸際外交からの逸脱

 今までの北朝鮮の核戦略は、瀬戸際外交と呼ばれ、アメリカの介入を防ぐことが最大の目的だった。そのため、主に対アメリカとの外交に比重が置かれ、アメリカとの間に非常にきわどい交渉を続けていた。

 それ以外の周辺国との関係まで悪化させると、アメリカという大国を相手にしたきわどい緊張関係を続けることはできなくなる。そのため、とーちゃんのじょんいるの時は、アメリカと交渉するに当たって、中国やロシアとの関係まで悪化させないように非常に気を使っていた。

 全世界と対決することが目的ではなく、自分たちの政権存続の保証が目的だから、アメリカの介入さえ防げれば、それで目的は達成できるっていう考え方だった。

 軍事介入に対する抑止力だったら、原爆で十分で、なにも水爆みたいな強力なものを開発する必要はない。。。

 しかも、アメリカと交渉に臨むのであれば、中国やロシアの後ろ盾は最低限確保しておくべきだったはずだった。

 もうこれ、瀬戸際外交ですらない。

 水爆という人類最強の武器を持って、「俺スゲー」って悦に入ってるだけで、ほとんど冒険主義的な外交になってる。

 まるで、小さな子供が、本物の拳銃手に入れて遊んでいるみたいだ。。。こんなのが、隣の国なのだ。こんなもんで、水爆ぶっ放されたらたまらない!

 実際、外交的には、北朝鮮の意図が全く見えなくなっていて、ホントに駄々をこねる小さな子供を相手にしてる感じになりつつある。

*国内統制に腐心するジョンウン

 外交的意図が見えないとすると、今回の実験は、やはり国内的要因が大きかったのではないかと思えてくる。

 正恩が政権についてから、ずっと国内での統制と粛清が続いてる。2013年には、正恩は、自分の叔父の元国防副委員長を処刑してる。

 どうも父親の時と比べて、自分の支持基盤が固まってない様子が窺える。政権に就いてからの年数も浅いし、若くて経験もないし、三代目の坊ちゃんってことで、古くから政権を支えてる幹部からの支持が十分に得られていない可能性がある。正恩自身がそれに対して、非常な危機感を抱いてるのかもしれない。

【参考記事】
コラム:北朝鮮で副首相まで「粛清」された意味 - Reuters

 北朝鮮では、今年の5月に36年ぶりの朝鮮労働党大会を控えてる。正恩は、それに向けて自分の実績作りに焦っているのかもしれない。そう考えるのが一番妥当のような気がする。

 ともかく、正恩政権に代わっても、国家の行く末や国民の生活なんかより、自分の地位を維持することだけが、最も重要っていう政治であることに全く変化がない。多くの国民が苦しんでることなんか、知ったことか、という態度は親の代から何も変わってないのだ。

 つくづく不幸な国だ。

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